リスタート ~最後の恋を始めよう~ 【前編】
パニックがまた頭の中でグルグルし始めた状態で、明子は家の中で右往左往していた。
(バカバカバカバカ)
(牧野のバカっ)
(バカーッ)
どうにもこうにも腹がたち、牧野への文句が止まらなかった。
いっそのこと、荷物を取りに車に戻ったこの隙に、玄関に鍵をかけて閉め出してやろうかなどと考えてしまうくらいだった。
なんで、いつもいきなりなの、心の準備くらいさせてよと、泣きたいのか怒りたいのかも判らないような状態で、浴室をチェックしたり、トイレをチェックしたりと、とにかく落ち着くことができなかった。
「なにをワタワタしてんだよ、お前は」
車に積んであったボストンバックを持って戻ってきた牧野は、眉を八の字にして、部屋の中をバタバタと動き回っている明子に対して、やや呆れ顔になっていた。
「牧野さんがっ、いきなり泊まるとか言いだすからですよっ」
「だってよ、この時間に帰って風呂沸かしたりなんだかんだしていると、寝る時間なくなっちまうしさ。大丈夫だって。泊まる用意はしてあるから」
準備いいだろ、俺と、得意げな顔で自画自賛する牧野に、バカっと明子は声を張り上げた。
「もうっ バカっ 明日、ちゃんと大掃除しようと思っていたのに」
なんで、いきなり、予定がぐちゃぐちゃですよっと泣き声混じりで怒る明子に、なんで大掃除なんてする必要があるんだよと牧野は笑った。
(バカバカバカバカ)
(牧野のバカっ)
(バカーッ)
どうにもこうにも腹がたち、牧野への文句が止まらなかった。
いっそのこと、荷物を取りに車に戻ったこの隙に、玄関に鍵をかけて閉め出してやろうかなどと考えてしまうくらいだった。
なんで、いつもいきなりなの、心の準備くらいさせてよと、泣きたいのか怒りたいのかも判らないような状態で、浴室をチェックしたり、トイレをチェックしたりと、とにかく落ち着くことができなかった。
「なにをワタワタしてんだよ、お前は」
車に積んであったボストンバックを持って戻ってきた牧野は、眉を八の字にして、部屋の中をバタバタと動き回っている明子に対して、やや呆れ顔になっていた。
「牧野さんがっ、いきなり泊まるとか言いだすからですよっ」
「だってよ、この時間に帰って風呂沸かしたりなんだかんだしていると、寝る時間なくなっちまうしさ。大丈夫だって。泊まる用意はしてあるから」
準備いいだろ、俺と、得意げな顔で自画自賛する牧野に、バカっと明子は声を張り上げた。
「もうっ バカっ 明日、ちゃんと大掃除しようと思っていたのに」
なんで、いきなり、予定がぐちゃぐちゃですよっと泣き声混じりで怒る明子に、なんで大掃除なんてする必要があるんだよと牧野は笑った。