キスはおとなの呼吸のように【完】
ふだんおとなでたよりにしている大上先輩のこどもの部分をわずかに見たような気がしたが、だからといって感動するでもなく、幻滅するでもなかった。
たぶん、そんなことを考えるほどの体力が、そのときのわたしには残っていなかっただけかもしれないが。

「はあ」

無意識におおきなため息がでてしまう。

ぐったり疲れていたわたしは、化粧を落とすと先ほどまで大上先輩が眠っていたベッドにもぐって夢の世界に逃避した。
< 235 / 380 >

この作品をシェア

pagetop