キスはおとなの呼吸のように【完】
「買い手の側にも、やっぱりそれなりの態度があると思います。買ってやる。だから売り手よりもえらいんだっていうのは、感覚として違うっていうか。売る側が買う側の気持ちを考えてせっするように、買う側も売る側の気持ちを考える必要があるんじゃないですか」

わたしの言葉は感情にまかせたもので、おさないほどに熱がはいっていた。

だが、一度ひらいた口はとまらず、わたしは続けた。
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