キスはおとなの呼吸のように【完】
「カズト。ありがとね」

「え? なにが」

カズトはビールの缶にくちづけしながら、きょとんとしてたずねる。
わたしはいった。

「ハロゲンヒーター。わたしがくるころにあわせて、電源いれておいてくれたんでしょ。すごくあったかかったよ。たすかった」

「ああ」

なんでもないといった調子でカズトはいう。
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