キスはおとなの呼吸のように【完】
「あれ。とりこみ中? じゃましちゃったかな」

メタボリックのおじさんは、いささか古いリアクションをとる。
完全に空気を察したようだ。

名前も知らない相手だが、この人はわたしたちがつきあっているということを知っている。

とくに説明したわけではないが、はじめて会ったときにカズトの彼女だとかん違いされて、そのまま否定もしなかったので、わたしの印象はそのときのままだ。
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