優しいなんて、もんじゃない
弥生さんはいとこだし幼い頃から知っているから素で話が出来るけど。
河井さんとは8つも年が離れてるし、何だかぎこちなくなってしまう。それを言ったら弥生さんもだけど、彼女は別だ。
「優、ゴー!」
いきなり私の背中を叩いて何かを促してくる弥生さんだが。何にゴーすればいいのか疑問。
冷めた目で見ていれば、弥生さんは顎をくいっと上げそれを指した。
「…ああ、ピアノ、ね。」
そう呟くと、弥生さんは満足げに頷きもう一度力強く私の背中を叩いてくる。地味に痛い。やめてほしい。
と。
カウンターから出て行こうとする私の名を呼ぶ、低く優しい声。
「新ジャンル、俺にも聴かせてよ。」
「……、」
それはユウの曲のことだろうか。いや、迷う余地もなくそれしかないだろう。