優しいなんて、もんじゃない
そう言って、ユウに背を向けた私。なんて、無愛想というか礼儀をわきまえていない態度。
どんな理由であろうと、ユウは私を庇うために美月さんを探していた。
ユウが入って来たときに「見つかった」って、美月さんが言ってたからきっとそう。
「……ユウ、」
「んー?」
「………ありがと。」
「……。」
どんなに無愛想だとしてもお礼ぐらい言うのが道理ってものだし、マナーだ。
が。私達の間には長い沈黙が置かれるだけで。一向にユウの声は私の耳まで届いて来ない。
何この、謝って空気読めてないかんじ。
コイツ「いいよ」とか言えばいいのに。黙られたらどうしていいか分からなくなる。
「……のんでくれば。」
結局、沈黙に耐えきれずその場を放棄した。
「あ、優、待って!」
だが私の手首は易々と包み込まれてその場を離れることが許されない。