優しいなんて、もんじゃない
「美月、優は、だめ。」
「……あーあ。絶対アタリなのに。」
何の話かはさっぱりだけれど、この話のかたはユウがつけたようだ。明らかに年上の美月さんを呼び捨てにし、最後は戒めるように私を背に隠したユウ。
2人から責められ、しょんぼりする美月さんが何だか可哀相だった。
引きずられるように、美月さんは弥生さんにカウンターまで連れられて行く。
あ、大人しく座ったけど隣にいた不運の河井さんはテキーラのまされてる。酔いつぶれたらどうするんだ。
色々と心配の眼差しをカウンターにいる3人に向けていた私は、自分の前に誰か屈んだ気配がして視線を戻す。
そこには、当然ユウ。
「ごめんね優。」
「…別に。美月さんが何言いたいかも分からないし、ユウが謝る必要なんてない。」
「でも、」
「謝られる理由がないのに、謝られるのは気分が悪いのよ。」