水に映る月
 

「ケイちゃん‥?」



─ 疲れてるのかな‥



あたしは、彼の傍に座り直した。


熱にうなされているみたいに、慧は、苦しそうに唸っていて‥。


「ダイジョウブ?」


彼の額に手を当ててみる。

少し汗をかいていたけど、熱は無いようだった。


ふと、慧が目を開けた。


あたしは、もう一度


「ダイジョウブ?」


と、訊いてみた。


突然、彼は、あたしの手首を掴んで引き寄せ、そのままギュッと抱きしめた。


 
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