水に映る月
 

「大阪に戻ろう。」


叔母さんは、ママを説得していた。


「純ちゃんだって、ちゃんと幼稚園に入れないと‥。もうすぐ五歳になるのに‥。」


「ほっといてよ!」


「いつまでも、こんなだらしない生活してないで。お母さんだって家で心配してるんやから‥。」


「分かってるって!」


叔母さんが持って来た苺のショートケーキを頬張って、二人の会話を聞いていた。



─ おばあちゃんに会いたいな‥



そう思って‥。


叔母さんに説得されたママは、数日後、あたしを連れて大阪に戻った。


 
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