水に映る月
「こんな時間に大勢で家に入って、親は怒らんの?」
清香が当たり前に感じる疑問を口にした。
すると、助手席にいた男が
「親は違う階に住んでる。」
と、ナンパして来た時とは打って変わって無愛想に答えた。
その返事の仕方だけで、これから行われることも、助かる見込みの無いことも悟ることが出来る。
あたし達を取り巻く空気が、一気に重くなった気がした。
玄関を入って、すぐの部屋のドアを開け、その家の住人は、中に入るよう指示をした。