水に映る月
 

慧は、哀しい声で言った。


「ごめんな‥。」


って‥。


「純ちゃんのキモチに、オレ、応えてあげること出来へん。」


って‥。


そして、サイドボードの下の引き出しに、いくらか現金があるから、お金に困るようなら使えばいいと言った。


急かしはしないけど、なるべく早く部屋を出て行くように‥。

そう言って、電話を切った。



喉の奥が焼けるように熱くて、痛い。


ココロは「イヤ」だと叫んでいるのに‥。

彼の声を聴いて、あたしは泣くことしか出来なかった。


 
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