水に映る月
 

“兄貴だけには言われたない‥”


あの時のヨシトの言葉を思い出した。



─ 慧も悪い人なのかな‥



「梅田、行きたいねんけど‥。」


あたしは、遠慮がちに言ってみた。


「こんな時間に、どこ泊まるん?宛て、あるん?」


あると言えばあるし、ナイと言えば無い。

これから連絡取るんだし。


「分かんない。無かったら、サ店でオールする。」


あたしは正直に答えた。


「なんか不安か?ダイジョウブやで。」


慧は、そう言って歩き出した。


あたし達は、途中、寄って貰ったコインロッカーから取り出した大きなバッグを肩から提げ、彼のあとをついて歩いた。


 
< 27 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop