水に映る月
“兄貴だけには言われたない‥”
あの時のヨシトの言葉を思い出した。
─ 慧も悪い人なのかな‥
「梅田、行きたいねんけど‥。」
あたしは、遠慮がちに言ってみた。
「こんな時間に、どこ泊まるん?宛て、あるん?」
あると言えばあるし、ナイと言えば無い。
これから連絡取るんだし。
「分かんない。無かったら、サ店でオールする。」
あたしは正直に答えた。
「なんか不安か?ダイジョウブやで。」
慧は、そう言って歩き出した。
あたし達は、途中、寄って貰ったコインロッカーから取り出した大きなバッグを肩から提げ、彼のあとをついて歩いた。