水に映る月
 

重苦しい沈黙が二人を包んでいる。

決断を、迫られているんだと感じた。


だけど‥。

どんなに考えても、慧を嫌いになるなんて、無理だと思った。


慧を忘れるなんて‥。

彼から離れるなんて、絶対に無理だと思った。



─ オレには、純ちゃんを巻き込むことは出来へん‥ ─



「逃げよう」と言ったあたしに、慧は首を横に振った。



一緒に逃げることが出来ないなら‥

あたしが選ぶ道は、一つだけ‥


こんなにも、すきだから‥



あたしは、顔を上げた。

そして、慧を見つめた。


 
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