水に映る月
慧は、黙っていた。
何かを考えているみたいに‥。
「あたし‥、空の月になりたい‥。だから‥。」
あたしは、慧の右手を取って、自分の首へと誘(イザナ)った。
「ケイちゃん‥、殺して‥?」
慧は目を細めて、困った風に微笑んだ。
あたしも涙が止まらない目で、ニッコリ笑った。
深く切なさが二人を包んでいく。
縮めることの出来ない距離に、もう苦しまなくていい。
彼の手首を掴んだ指に、あたしはギュッと力を籠めた。