水に映る月
「いや。今は、オンナいてない。」
慧は答えると、ナイフで切ったステーキを、パクッと食べた。
見るからに、ホッとした顔をしちゃったみたい。
「ややこしい先輩からや。」
慧は、言葉を付け足した。
「ややこしいの?」
「うん。最近は付き合い無かってんけどな。」
「そっか、大変やね♪」
─ カノジョじゃなかった‥
それが分かったから、電話の相手に対する、あたしの興味は失せていた。
食事を済ませレストランを出て、あたし達は駐車場に向かった。