誘拐犯は…神様だったのです!



だから、あの森にいたの?暗くて…寂しくて…


まるで地獄のような場所に…



「そんなの…っ」



人間に危害を加えたから?大切な翼を奪われた復讐で…?



確かに、誰かに危害を加えるのはよくない、だけど…だけど


「凜…分かってる」


「…っ」


私の思いが分かるのか、紫音さんはうっすらと笑い私の手の指を撫でる



「だが、アイツらはそれを承知の上で…人間を恨み、妬み、殺意を向けてる」


「……」


「自分自身が一番苦しむと分かっていても、人間が許せないんだ」


「………」



切なく語られる紫音さんの言葉は酷く私を苦しくさせ


人間である私を見つめる紫音さんの瞳


今…彼の瞳に私はどう写っているんだろうか



そして、彼の瞳に移る彼らの姿、私に危害を加えた真意や思いに胸がギュと痛くなると


紫音さんは手にあった手をゆっくりと頬に当てる


「……あ」


「似ているな」


「…?」

似ている?


「だれ…に、ですか?」


「…風神に」

「フウさんに?」


な、なんで、フウさん?

首を傾げると紫音さんは頬にあった手を唇に押し当てる



「彼らの思いや傷に一番胸を痛めてるのは風神でもある」


「え?…フウさんが?」


「あぁ、アイツも人間が嫌いなのは…分かってるな?」


「あ、はい…」



私の事を嫌いって言われたし…散々…人間が嫌いだと言っていたから


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