誘拐犯は…神様だったのです!




まぁ…あからさまに海鈴さんをかばったようなものだもんね



「えっと、紫音さん…?」


ベッドの上を這いつくばり紫音さんに近付くと無表情でチラリと私を一瞬だけみてすぐに視線を反らしてしまう


「………え?」


あれ…これは、完全にまだ怒ってるんだ…って、思ったけれど


なんか、怒ってるとも考えられない表情

無表情には変わりないけれど、なんだかおかしい

「えーと……」


なにかあったのかな?


無神経かもしれないけれど、思いきって顔を覗きこむと


ため息をはきながら私を見つめる


「…どうした」

「え?あ、いえ…」


「あまり見るな…少し疲れてる」

「………」


疲れた?紫音さんが?


さんざん私を抱いて睡眠時間がなくてもピンピンしてる紫音さんが?



「あの…大丈夫ですか?」



今日、朝に別れたあとに何かあったのか?


なんだか不安が襲い彼を見つめると、ゴロンと身体をベッドに倒し座り込む私の手を握る



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