誘拐犯は…神様だったのです!
「凜…なんでこの部屋にいるんだ?」
「あ…えっと」
うわっ、いざ本人を目の前にしたら緊張してきた
ドクン、ドクンと変な音を立てる心臓
お、落ち着かなくきゃ…じゃないと話せない
「あの、私…」
「凜、私の部屋に来るなとは言ったが…こっちの部屋ならいいなんて言ってない」
「………え?」
昨日と同じで、私を拒否するようなセリフ
「あ…ご、ごめんなさい…でも、やっぱり昨日のことをきちんと話したくて」
「………」
ぎゅうと手を握り息を飲み込み紫音さんに近づくと彼はため息をはく
「話がしたい?話しは昨日で終わったはずだが?」
「…っ」
「それ以上に何を話すと言うのだ?私はもう、君に話すことはない」
「紫音さん…」
「だから、早く出て行って欲しい。私はまだやらなくちゃいけないことがある」
「………」
胸がズキッと痛みだし、思わず歩いていた足が止まってしまう
だ、だめ…だよ。いくらキツイことを言われても引き下がっちゃだめ…
ここで引き下がったら、意味がないんだ。
「い…や…です」
「……?」
「私、紫音さんときちんと話をするまで、出て行きません…っ」
首を左右に振りながら必死に言うと、紫音さんは無表情のまま私に近づきガシッと手を強く握る
「……っ」
ピリッと感じる痛み
「…紫音さんっ」
「出て行ってくれ。君がいると、集中出来ないんだ」
「…で…でもっ」
どうしよう、このままだと追い出されてしまう。そんなのは嫌だ!だって、だって…
「離して下さいっ」
このまま部屋を出たら、きっともう、紫音さんと向き合うことなんて出来ない気がするんだもん
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