誘拐犯は…神様だったのです!




今しかないんだもん…チャンスは今しかないんだ


思いきり、手を引き彼の手を振り払うとわずかに紫音さんの表情が歪む



「へぇ、そうか…なら、仕方がない」


「………っ」


「凜はここにいればいい。昨日同様に私がこの部屋からいなくなる」


「………え?」


「ここにいたけれだ、好きなだけいればいい」


そう言うと、踵を返し部屋を出て行こうとする紫音さん


そんな…どうして…紫音さん、私を拒否するの…?


「………っ」


我慢して、必死にこらえていた涙が溢れだし、視界がゆがみ紫音さんの背中がぼやける


紫音さん…わたし…わたし…っ



「……っ」


「………!?」



行き場のない感情が溢れ、そのまま走りだした私は出て行こうとする紫音さんの背中に抱き付くとビクッと彼の背中が震えた



「…行かないでっ…紫音さん」


「…………」


「ちゃんと、話をして下さい」


「……………」

「じゃないと、私だって分からないっ」


「…………凜」


「私だって…私だって、紫音さんが分からないですよ!」


ぎゅうと更につよく握ると、紫音さんの口からはため息が漏れる


でも、そんなの気になんかしてられない。



私の気持ちを言わなくちゃ…


「紫音さん…は、ずるい」

「………」


「私だって、紫音さんと同じで分からないですよ!どうして、いきなり私に冷たくする理由も、紫音さんが何を考えてるとか、本当に私のことを好きなのとか…分からないことばかりなんです!」


分からないのは、紫音さんだけじゃない。私も何が何だか分からないよっ



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