誘拐犯は…神様だったのです!
掴んだ手をひいて、その胸に抱いてくれんじゃない。
落ち着く、暖かいと思うような感覚じゃない
「凜、もう一度だけ言う」
「………っ」
「止まるんだ…」
「………やっ」
そう、今にも捕まりそうになった時――…
ドンッ――…
「……あっ」
後ろ向きに下がっていたせいか、背中から何かに鈍い音を立てぶつかる
ドクン、と、嫌な予感が頭をよぎると目の前の紫音さんはその背後の物に気付き口元を緩めた
「…オーディン、いい所に来てくれた」
「………え」
オーディン…?オーディンって……
「………っ」
ゆっくりと、背後の何かを見るように顔だけ振り返るとそこには、久しぶりに姿を見るフウさんがいた
「………あ」
最後にみた時と何一つ変わりない姿
相変わらず、紫音さんに似て感情が分かりにくい顔でチラリと私を見て
すぐに自然を紫音さんに写す
「紫音様、このような時間に何をされているのですか?」
「…あぁ…少しな…それより、彼女を逃げないように抑えて欲しい」
「………え?」
「……なっ」
紫音さん、なにを…!
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