誘拐犯は…神様だったのです!





「あ、は…は」


「…………」



そっか、これが最後か…もう、ダメなんだね


人間界にもどり、他の人と幸せになれか…


なんて、なんて、残酷な言葉なんだろう


紫音さん……酷いよ…


「………うっ」


だ、ダメだよ。フウさんだって見てるんだもん…泣いたりしたらダメ


ダメなのに、何かが切れたように涙は止まることを知らない




紫音さんが語った事実、翼のこと人間がにくいこと


私を拒否する理由、なにもかも…思い出して、人間界に戻れと言う言葉が重いよ…



「…グスッ…う」


紫音さん…紫音さんっ



私…こんなにも紫音さんが好きだったんだ


今失って、その存在の大きさに気づくなんて…青すぎる



もう、今の私は…何も考えられないよ…



何回も何回も涙をふき、声を抑えながら涙をふく私にフウさんはしゃがみこみ


私の背中を優しく撫でる


「………え?」


「……………」


無言で何も言わないフウさん。


けれど、それが不思議と私の胸に染みていく


フウさん………慰めてくれるの?人間の私を?


「…フウさんっ」


「泣きたい時は泣けばいい」


「…………あっ」


「私も…凜様の味方ですから」


「………っ…」



味方?フウさんも?あの、フウさんが?


「…フウさん…っ」


そっか…フウさんも味方なんだ。嬉しいな


うん、嬉しい……


「ありがとう、ござい、ます……」



「……………」













たぶん、私はこの時


一人だったら、堪えられなかった


紫音さんの思いが辛すぎて、泣くだけじゃ…済まなかっただろう



ありがとう、フウさん……………







そんな思いを胸に、長い時間…紫音さんを思い涙を流し続けた









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