誘拐犯は…神様だったのです!
わたしの、大切な大切な宝物――…
その宝物を…私が初めて好きになった彼にもっていてもらえるなら悔いはない
もう、これを二度と触ることは出来ないし見ることもないけど
私の心の中には永遠に残ってるから……
「………あ」
その時、月の光に反射してネックレスの僅かにあるキズがキラッと光る
この傷…懐かしいな。
確かこの傷は、私が小さいころにこの鍵を友達に自慢したくておばあちゃんに内緒で持ち出し
私の不注意で道路に落ちてしまい、車にひかれついた傷
おばあちゃん…泣きながら謝ったわたしを"怪我をしたのが鍵で良かった"
なんて言ったっけ…
それも、私の大切な思いで…ずっと、ずっと…忘れないよ
「おばあちゃん…」
ギュウとネックレスを胸で握り、空を見上げると――…
「……凜」
「…?」
背後から聞こえる優しい声
あ……海鈴さん、もう来たの?早いな…
「はい、海鈴さん随分と早かったですね…って……え…」
「………」
海鈴さんだと、思いこみ笑顔で振り向いた瞬間
私の笑顔は、"凜"と名前を呼んだ人物の姿をみて
一瞬に失われ、ドクンッと胸がイヤな音をたてた
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