誘拐犯は…神様だったのです!
「…………ぇ」
う、うそ…ど、どうして…?
目の前の人物の存在が信じられなく、頭が混乱する
だって…だって…なんで、なんで、なんで……紫音さんが…ここにいるの?
「………」
そう、私の目の前には…この10日間…信じて、ただ…迎えに来てくれることを望んだ…紫音さんがいたのだ
「…………っ」
無表情で私を見つめ、何も話さないその威圧的な瞳
「……っ」
意味が、わからないよ…
胸の鼓動がどんどんと早くなり、その私を射ぬくような瞳から顔を反らすと
「…凜」
「………っ」
顔からは想像出来ないほどの優しい声
いやだ…聞きたくなんかない。もう、紫音さんは私にとって…夢にすることにしたんだもの
悩んで、悩んで、やっとその答えをだした
それなのに、もう…紫音さんの声なんか聞きたくない
「………」
「ごめ…ん…なさい」
ぐっと唇を噛みしめ、"ここにいたくない"彼を見たくない一心でバルコニーを出ようと歩き出すと
ガシッ―――…
「凜!」
伸びて来た彼の手が私の腕を掴み、その拍子に視線が絡みあい―…
「迎えに、来たんだ…」
「…………」
紫音さんの口から、私の一番聞きたかった言葉が放たれた
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