誘拐犯は…神様だったのです!




「……」


迎えに、来た?…わたしを?


「な、何を…言って」


「………」


紫音さん…それを本気で言ってるの?


「凜…」


「………」


あ、あぁ…そうか。帰ろうってのは、紫音さんの世界じゃなくて、人間界にって意味…だよね…


うん、そうだよ。そうに違いない。自分で連れて来たのだから引け目を感じてるだけかもしれない


それなら…わたしは…



「私は…海鈴さんと…帰ります…」


「…え?」


「紫音さんには、迷惑かけません…私には…海鈴さんがいるんで…大丈夫です、から」


「………」


「だから…離して、下さい…」



紫音さんの手に自分の手をそえ、ゆっくりと引き離すと紫音さんの顔が歪む



「違う」


「…………っ」


「そうゆう意味じゃない」


「……あ」


「分かっているくせに、誤魔化そうとするな」


「………」


「帰ろう、私と一緒に…空界に」


…紫音…さん…



「………凜」


再び私の手を握り、そのエメラルドグリーンの瞳に私を離さずにうつす



なに、よ………それ…


誤魔化すな?誤魔化したくなるよ


だって、だって…私は、なにもかも…終わりにしたいんだもん



今さら、今さら…そんなの…



「…遅いですよ…紫音さん」


ギュウと手を握り息を飲み込み彼をみあげる



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