誘拐犯は…神様だったのです!




「…わ…わたしっ」


「凜」


「………っ」


「私はもう、キミを拒否したりしない。キミと向き合うと、決めた。だから、もう一度だけ…私にチャンスをくれないか?」


「………」


「私が嫌いかもしれない、憎いかもしれない、私の都合でいまさら迎えに来たのだから」


「…………っ」


「だけど、嫌いでもいい、恨んでもいい…それでも、私は凜に傍にいて欲しい。人間への憎しみの葛藤より…何よりも君に傍にいて欲しい」


「…し…お」


「だから……おいで、凜」


「………」


腕をひろげ、肩をあげながら微笑む紫音さん



紫音さんは…本当に…ひどい、ひどいよ



本当に、私を散々拒否し続けたくせに…


私がどれだけ、泣いて悩んで、やっと答えをだしたと思ってるの?




ただ、黙って、手を広げる紫音さんの姿に涙が止まらない






もう……だめだ……



私は馬鹿だ……あんなに



悩んで、悩んで、悩んだのに………わたし……は………



「…………っ」





「…凜」


「……紫音さんっ」










ギュウ―――…


涙を拭い、力強く紫音さんに抱きつくと、彼はその大きな腕で私を力強く抱き締めてくれる




「……うっ…グスッ」



紫音さんの背中の服を握り、声を押し殺して泣けば優し背中を撫でられる



< 599 / 616 >

この作品をシェア

pagetop