誘拐犯は…神様だったのです!




私だって、良かったよ…本当に良かった



一回は帰ろうと思った。けれでも…最後には紫音さんが迎えにきてくれた



これだけで、私は満足なんだ……


「紫音さん…っ」


暖かい温もりと、やっと通じた思いのせいか


離れるのが、いやで…お互い…離れようとせずただ、抱き合っていると



不意に紫音さんは、ゴホンとわざとらしく咳払いをする


「あー…と…ところで、凜?」



「ん…ぁ…はい…?」


なに?顔をだけをあげ、彼を見上げると


紫音さんは顔を赤くしながら、言いにくそうに口をあける



「その…子供のことなんだが……」


「…え?……子供…ですか?」


「あ、あぁ…だから、その…まさか、そんなことにならないように気をつけてはいたんだが…なんて言うか…結果的には、凜は空界に帰るのだからいいんだけれど…なんと言うべきなのだろうか…えー…と…あ、ありがとう」


「…………え?」


「空界に帰ったら、母上にも言おう。あと、産まれたらアン様にも報告に行かなければ…な」


「…………?」


ん?


紫音さん……何を言っているの?


「え、あの…話の内容が掴めないんですけど…」


子供?ありがとう?産まれたら…?


まるで私が妊娠してるかのような台詞に頭を傾げると


さっきまで赤かった紫音さんの顔が一瞬で真顔に戻り、不思議そうに頭を傾げる




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