誘拐犯は…神様だったのです!




「紫音さん…好き…です」


「………」


「まだ、私からは言ってなかっですから…言いたくて…」


「……凜」

「紫音さん、大好きです…」


手を離し、ギュウと抱きつくと紫音さんはため息をはきながら私の頭をなでる


「凜、そんな…煽らないで欲しい」


「だ、だって……」


「ここが、深界でしかも海鈴の家だと忘れてしまう」



私の身体を離し、紫音さんは私の肩に手を回しニコりと笑う



「とりあえず、帰ろう…いつまでも、ここにはいられない」


「……あ」


そ、そうだよね。ここはバルコニーだし、海鈴さんの家なんだもん


「行こう」


「…………はい」


ゆっくりと歩きだす紫音さん。


そんな彼の腕に手を回し促されるように歩くと



一瞬だけお互いに視線がからみ、私たちは


二人とも顔を赤くしてしまったのだった






本当に嬉しいな


紫音さんが迎えに来てくれて…


好きって言ってくれて…こんなにも幸福感を感じられるなんて不思議



紫音さん、もうこの手を離さないでね


私もずっと、紫音さんの傍にいたいから


そう思い、私は久しぶりに感じた紫音さんの温もりと香りをただ、身体で感じていた―――……







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