誘拐犯は…神様だったのです!






「…………あ」



部屋についてから、ベッドに入るまで5分も立ってない


まるで、待ち望んでいたかのように素早い動きに抵抗なんか出来なく



紫音さんに包まれれば、フワッと彼の匂いに包まれる


布団から感じる香り、背中から感じる香り、髪の毛の香り



私を包みこむ、暖かい腕に、背中から感じる…ドクン、ドクンと言う音に…私はすっかり酔ってしまい



…挨拶は明日でいいや…なんて、考えてしまう



だって、やっと、やっと、欲しかった感覚なんだもん



もっと、もっと、感じていたい



「…紫音さんっ」


紫音さんの手を掴み、いたずらするように触るとクスッと笑う声が頭上からする


「凜…くすぐったい…」

「はい、でも、我慢して下さい。紫音さんに触りたいんですもん」


細く長い、けれど男らしい手


この手が私は大好きなんだ。



そう思い、ただ、黙々と指をさわっていると不意に紫音さんはその手を私の髪の毛に持っていき


少しだけ掴みキスをする


「………あっ」


「凜…今…私はおかしな気分だ」


「………え?」


「また…この部屋に君がいて、私の腕の中にいることが…とても幸せだと感じる」


「……っ」


囁くような甘い台詞を囁かれたかと思うと、そのまま身体を引き寄せられ、今度は正面から私を抱き寄せる



< 609 / 616 >

この作品をシェア

pagetop