La'cryma
オルビス「着きましたぞ!アフェットガルド城は初めてですかな?」


ユーリ「は、はい…。」


オルビス「人口3千万人、大国アフェットガルドの中心となる400年以上の歴史がある城でございます。散歩はまた今度で、今日はまず、おめかしをしていただきますぞ!」


初めて入る城は想像以上に大きく、綺麗で…何が起こるかわからないドキドキで胸がいっぱいだった。


オルビス「ケリー!!ケリーはどこだ?お、いたいた。この方を頼む。(…例の方だ。)」


ケリー「あなたおかえりなさいませ。この子が…どうぞいらっしゃい。」


ユーリ「あ、はい。」


オルビス「わしは隊舎の方にいっておる用意ができたら教えてくれ。」


ケリー「わかりましたわ。…あなたお名前は??」


ユーリ「ユーリ…ユーリ・ミレイヤです。」


ケリー「ユーリ様ね。私はケリー・ゲイリー。オルビスの妻でこの城の召使いの長をやっています。よろしくね。じゃあ、しっかりおめかししちゃいますか!ユーリ様は好きな色はありますか?」


ユーリ「私は…ピンクが…でも、ピンクはセリンの色だったから着れなくて…。」


ケリー「そうですか。でも、今日は好きな色を着ていいんですよ?ここにユーリ様を縛るしがらみなんてないのですから。かわいくなっちゃいましょうね?」


ユーリ「はっ…はいっ!」


オルビス「16歳かぁ…若すぎる。前回の巫女から18年…早いな…やはり戦が多いとこうなってしまうのか…ふぅ…。嫌な時代だ…。」



「オルビス副長!ケリー殿から準備ができたとの報告がありました。」


オルビス「了解した。すぐに行くと伝えてくれ。」


ケリー「はい、出来ましたよ。」

ユーリ「き、きれい…。」


ケリー「ユーリ様きれいですよ。今までユーリ様の美しさに気付いていない男どもは見る目がありませんね。」


コンッコンッ


オルビス「ケリー!わしだ!…(ガチャッ)おぉっ!なんと…」


ケリー「あら?きれいすぎて副長ともあろう方が言葉を失っていますよ?」


オルビス「こら!ひやかすでない!十二分に用意はできたようだの。では、王のところへご案内いたしますぞ。」


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