幼なじみじゃイヤなんだ。
2人で並んで歩きながら、上坂くんに言われた言葉を思い出していた。





“綺麗” “可愛い”





こんな風に言ってもらえるのはびっくりしたけれど嬉しかった。


だってそれは、女子にとって最高の褒め言葉だと思うから。




でも、でもね。





本当にその言葉を言って欲しい人は……


見上げた横顔が私の視線に気付く。





「ん?」


「ううん、何でもない。お腹空いたなって思って」





動揺を笑顔でごまかす。





「空いたなー。そうだ。今日俺、桜ん家で晩ごはん食わしてもらうよ」


「おばさん残業なの?」


「うん、みたい。さっきメール入ってた。桜のおばちゃんにお願いしたって」





流瑠と一緒にごはんを食べれると思うと、嬉しさがこみ上げてくる。





「メニュー何だと思う?賭けよっか」





その言葉を言って欲しい人は……
< 182 / 606 >

この作品をシェア

pagetop