幼なじみじゃイヤなんだ。
「なぁ。桜」





流瑠がこっちを向く。





綺麗って思わせたいのは

可愛いって言わせたいのは





「あのさ……」


「うん?」





何度考えても


何度打ち消しても


何度考え直しても


頭を過るのはただ1人。








流瑠なんだよ─────






「上坂のこと……」





何かを口にしようとした流瑠と目が合う。


心の中を見透かされそうなその目線に、思わず顔が赤くなるのを感じた。






「…桜?」





ダメ、ばれちゃう。




流瑠のその困惑したような、不安気なような、そんな表情を見て、しまったと思った。


ただの幼なじみにそんな風に思われてちゃ困るよね。





“鬱陶しい”よね…





嫌いにならないで欲しい。


あの時みたいに、避けられるのは嫌だから。




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