幼なじみじゃイヤなんだ。
「「あのさ…」」





声が重なった。





「あ、…桜から言っていいよ」


「いやいや、流瑠からどうぞ」


「あ、うん。あのさ…」


「うん…」


「やっぱいいや」


「え!?」


「うん…桜に聞いて、どうなる訳でもないし。それに、桜とこうして一緒にいたらどうでもいいかな。って思えてきた。」


「?」


「桜は何言おうとしたの?」


「あ、えぇっと…えっと…」


「ん?」


「私もいいや」


「いいの?」


「うん。今はいい」


「そ?じゃぁ。寝るか?」


「うん!」


「どうぞ」




そう言って流瑠が左肩を少し落としてくれる。


私はその居心地のいい場所に頭を乗せた。



現金なヤツだよね私。



昨日は、もう甘えないとか思っておきながら、目の前にこの温もりを差し出されると、ついつい手を伸ばしてしまう。



そしてこの温もりに触れている間は、悩んでいたことも、もやもやしていたことも全部忘れてしまえるの。


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