記憶混濁*甘い痛み*2

イエ、今すぐココで襲いたいとか思ってマス。




和音は、そんな心の呟きを押しやって、友梨の見事に細いウエストに手を回して抱き寄せる。


「……どこ、見てらっしゃるんですか?」


……あ、バレた?

ゴメン、胸の谷間。


身長差が20センチの2人。


和音が友梨を抱き寄せると、何だか色々と都合が良い。



「イヤ、ホラ、友梨ちゃんが気にしてるみたいだから?デコルテラインのチェックを」


ははは。


と、笑って誤魔化そうとする和音。


友梨は、困った顔をして。


「……いじわる」


と、言って、自分の腰に巻かれている和音の手の甲を軽くつねる。


もちろん、痛くない程度に、つねる、ふり。


教会の2階にある、こじんまりとした控え室で、甘い会話を楽しむ2人。


友梨の着替えがヴェールを残すのみとなった時、サプライズを用意している友人達から、和音は新郎の控え室を追い出された。


通された新婦の控え室には友梨が1人でおり、鏡を見て困った顔をしていた。


デコルテラインが美しく見えるデザインのドレスが気持ちゆるいらしく、友梨は先ほどの台詞を和音に投げかけたのだ。

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