シブヤクーロン
 
 煙草を買ってくると言った美麗さんは、なかなか帰って来ない。 
朝4時45分。
目が覚めて家中探したけどいなかった。
 
 
 
え?
あんなに優しくしてくれて、あんなことしてあたしが拒否したら仕事にでも行っちゃった?
まぢ分かんない。あの人。

なんだか美麗さんをすげぇと思う気持ちが一気に引いた。


 あたしはこのまま、謎の女の元にいていいのか?
でも依子といると楽しいし‥
男に囲われるより安全だ。



「どしたあ?大丈夫?」



暗いリビングにパッと明かりがつくと、そこには依子がいた。

なんだかすごくすごーく安心する。



「依子‥ごめん。起こしちゃった?」
 
「いや、さっき帰ってきた。ごめんね‥ゆりが辛いときに‥」



依子が泣いた。
号泣てほどぢゃないけど、訳を聞けない雰囲気。
いつも明るい依子。
こんなん初めてだ。



「ゆり、逃げよ。逃げたいよ。」



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