シブヤクーロン
 
 逃げようと言ってるわりに依子は、床に突っ伏して動かない。

小刻みに揺らす肩をしっかり抱いてやる。


いつもあっけらかんとしてる彼女。
なんだかただ事でない。



「よ、依子、、、どうしたの?なんかされたの?誰に?!」
 

 
「逃げたいなら今すぐ行く?それともまず話聞こうか?」




 依子は首を振ることもなく、ただ泣き続ける。
でも少しずつ泣きやみ、そしたら今度は突然すげぇスピードでトイレへ駆け込んだ。



‥相当精神的にやばいんだな。
何があったか分からないけど、よく帰って来れたね、依子。



 まるまる1日トイレの前で寝てた彼女。
その間なんとかちからを振り絞り、あっち行ってて、と手で合図をされた。


病院に行って治るもんではないと思い何も出来ずにいたが、それが大正解だとはびっくりした。
 


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