シブヤクーロン
3日経ち、依子はなんとか起き上がれるようになったけど、何にも食べないし、水を飲むのもやっと。
だけど会話はまぁまぁ普通にしてて、明るく努めようという姿勢を取り戻した。
かなり無理してるのバレバレだけど。
でもあの日の出来事には一切触れず、あたしも気にしてないふりをしている。
本当は心配で気になって仕方がないけれど。
そしてあの日以来、美麗さんは帰って来ない。
「依子ごめんね。仕事行ってくるわ。」
「なに言ってんのよ。ごめんはこっちだよ‥ちょっと紙とペン取って。」
「え?うん‥」
「ゆりが仕事行ってる間、あの日の事書いとくよ。くちに出したくないからさ。」
「‥大丈夫?無理しなくていいよ‥」
「大丈夫だよ。あたしの分まで16時間も働いてもらうんだもん。ゆっくり書ける。」
依子はいつものように笑ってみせたけど、渡したペンを持つ手が震えてた。