妄毒シチュー

「昨日、ミツルから電話あったんだよ。
『兄貴の彼女が美容室に来て彼氏に突然フラれたとか散々グチってたけど、本当に別れたのか?』って」

びっくりして目を丸くしたあたしに、コータはがっくりと肩を落とす。

「前からミツルの奴、ミナの事が気に入ってたからイヤな予感したんだよ……」

「ちょっと待ってよ。
前からアタシを気に入ってたって、あたしコータの弟に会ったこともないよ?
昨日はじめて会ったんだよ?」


あたしがそう言うと、コータは眉間にシワをよせて試すように聞いてきた。

「覚えてないのか?」

覚えてないのかって。
あたし、まだなにか忘れてる?

「ミナ、シチュー届けてくれたじゃん」

シチュー?
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