妄毒シチュー
「あーあ!わかった。
悔しいけど、伝えておくよミツルに」
コータはしかめっ面でそう言うと、荷物の詰まったごみ袋を抱えて立ち上がった。
「じゃあ……」
玄関で靴を履いてあたしを振り返る。
「じゃあね」
あたしもうなずく。
今まで楽しかったね。
コータと一緒にいられて幸せだった。
幸せだった時間が終わったとしても
その全てが嘘になるわけじゃない
ただ、過去の事になるだけ。
「ばいばいコータ」
玄関のドアを開けるコータ。その見慣れた背中にあたしは笑って手を振った。