妄毒シチュー
「ミナちゃん、そうやって寝転んだまま移動しないでよ。
でっかいイモムシみたいで気持ち悪い」
部屋の隅で丸くなるあたしに向かって、自称天使が冷たく言い放つ。
「どうせ、あたしはイモムシレベルの女ですよ。
デリカシーの欠片もないダメ女です」
ああ、このままサナギになりたい。なんて、バカな事を考える。
このままこの部屋でじっとうずくまってたら、いつか綺麗な蝶になれるかなぁ。
「ふぅん。いじけてたいなら勝手にすれば?」
「……冷たい。
あんた仮にも天使なんでしょ?少しはなぐさめてよ」
自称天使のむかつくくらい綺麗な顔を睨みながら文句を言うと
「はいはい」
彼は仕方ないと言うように大きなため息を付いた。