妄毒シチュー

「他の男の事を考えて泣いているなんて、妬けるね」

目を細めて笑う天使。
綺麗な弧を描く唇にうっとりするような色気。
耳元でささやかれる甘い言葉。

少し長めの柔らかい髪があたしの首筋をくすぐる。

「元カレの事なんて忘れて、俺にしときなよ」


自称天使は低い声でささやくと、柔らかくあたしの身体を抱き締めた。

華奢に見えた彼の腕の中は意外に逞しくて
洋服越しに伝わる胸板の感触と、どくんどくんと脈打つ鼓動に


目眩がした。




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