妄毒シチュー

「毒が全身に回っていく感じ、わかる?
頭がクラクラして心臓が苦しいでしょう?」

そんな物騒な言葉を穏やかな微笑みで、甘く囁く。
頭がぼんやりする。
ゆらゆらと、脳が温かい海の中で揺れてるみたい。




「毒って……?」

「恋に落ちる毒だよ」




恋に落ちる毒


そう言った唇があまりに色っぽくて、

ぐらり。

あたしの中の理性が揺れた。

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