天使のような笑顔で
天使接近

stimulation

「ここが図書室で、その奥が職員室。大体こんなもんかな?」


放課後。

一通り、校舎の中を案内して歩いた。


「どこの学校もそうですけど、なんか迷っちゃいますね」


辺りを見回しながら、桜庭さんはそう言った。


どこの階に行っても、すれ違う奴らはみんな彼女を振り返ってきた。

こんな学校に彼女みたいな子がいたら、確かに目立ってしょうがないよな。


「俺でも、たまに迷ってるよ」


「ホントですか?」


そう言って笑ってくれる彼女がかわいくて、隣を歩きながら俺はドキドキしていた。


「そろそろ部活行くけど、いいかな?」


携帯で時間を確認すると、4時を少し回っていて。

大体のところは案内できたと思うんで、彼女にそう尋ねた。


「はいっ。でも、ホントに私がついて行っても大丈夫なんですか?」


不安げに尋ねる彼女に『大丈夫』と告げ、俺達は体育館へと向かった。
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