天使のような笑顔で
みんなの視線が、こっちに向いているのが分かる。


女子からは、興味の眼差し。

男子からは、嫉妬の眼差し。


別に、俺が立候補したわけじゃないんだけど……。


やっかまれても、困るんだけどな。

それが、俺の正直なところの心情だ。


「名前…訊いてもいいですか?」


静かに、囁くような声。

透き通ったソプラノは、香りと重なり合って更に俺を心地よくさせる。


「高崎真吾」


とりあえず、名前だけ告げた。

元々、女子と話をするのはあまり得意じゃないから。
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