天使のような笑顔で
「高崎真吾君ですね。私、桜庭安以です」


「名前は…さっき聞いたよ」


そう言って、黒板に書かれた彼女の名前を指差した。


『桜庭 安以』


ちゃんと、そう残ってる。


「あ、ホントだ」


そう言って恥ずかしそうに笑う顔に、自然と目を奪われていた。


人間を超越したかのような、その笑顔。

今まで見た事の無いその美しさに、恥ずかしながらもこう思ってしまったんだ……。


『天使のような笑顔』


彼女の笑顔は、そう呼ぶにふさわしかった。
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