天使のような笑顔で
「そうと決まれば、早速宿題やっちゃいましょうか」


笑顔でそう言うと、彼女は俺の右腕を引っ張って食卓テーブルへと導いた。


「えっ?」


しゅ、宿題……?


「お母さんに、ホント内緒ですよ?宿題、自分でちゃんとやらないと怒られますから」


そう言って、『内緒』と言わんばかりに唇に人差し指を当てる。


「あのっ、宿題って……?」


イマイチ、状況がつかめなく。

鞄から教科書やら何やら出している彼女に、そう尋ねた。


「今日の英語の宿題。前の学校じゃ、あの文法とかってまだ習ってないんですよ。だから高崎君に教えてもらいたくって」


何となく、分かってきた。

『初めて』って、そういうわけか……。


「今日、クラスの子に聞きました。高崎君、英語の成績がいいって。だから、教えてもらうなら高崎君がいいなぁって思ってたんです」


俺の…勝手な勘違いだったのかよ?

1人で、ヤラシイ事考えてたんだ。


事態を把握するにつれ、俺の顔は羞恥でだんだん赤くなっていった。


「私、実は英語が苦手なんです。だから、もし分からなくっても、優しく教えて下さいね?」


顔の前で手を合わせ、彼女は少し頭を下げた。


俺、からかわれてるのか?

それとも、ホントに天然なんだろうか?


「私、なんだか高崎君とは親友になれた気がします」


そう言って、満面の笑みを浮かべる彼女。

とりあえず…俺のランクが、『友達』から『親友』に昇格した。


『恋人』になるのは…無理かもしれないな。


ため息をつきながら、そう考えてしまった。
< 49 / 123 >

この作品をシェア

pagetop