天使のような笑顔で
「でも、私は真吾君のファンクラブには入りませんから」


「えっ?あ、あぁ」


突然、正面切ってそう宣言されてしまい。

別に入って欲しいわけではないんだけど、ちょっぴり淋しさが込み上げてきた。


何だか、俺の事なんか好きじゃないって言われたようで。


まぁ、親友なんだからかもしれないけどさ……。


「だって、入ったら…抜け駆けできないじゃないですか」


「えっ……?」


「真吾君の事が好きでも、彼女になれないなんて…嫌ですから」


安以の言葉は、俺をしばし金縛りに遭わせてしまった。


イマ、ナンテイッタンダ?


思考回路が上手く回っていない俺と、じっと俺を見上げてくる安以。


保健室には、再び時計の針の音だけが響いていた。
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