猫に恋する物語
*第十四幕
シルエットが落ち着いてからシルエットと私と□は話し合った。

@まず、この町がこうなってしまった原因はあれよね。えっと・・・身分制度の確立・・・よね。


□うん。そうだと思う。シルエット、いつから身分がはっきり分けられるようになったの?

「ええと・・・。私が生まれたときは既にこうだったの。

詳しくは分からないけれど町の住人の中でも、かなり、お年を召している人に前に聞いたことがあるわ。

確か、三十五年ぐらい前の頃は身分はなかったと言っていたと思う。


懐かしそうに、そして幸せそうに話してくれたのを覚えてる。」


@じゃあ、その三十五年前に何があったのかということね。その人は今・・・。

「かなり前に亡くなったわ」

□・・・そっか。



―しばしの沈黙――。
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