~とある教師と優等生の恋物語~
ん~、と両手を高く掲げて伸びをする彼女はまるっきり告白してる女には見えず。


眉間にシワを寄せている俺ももちろん告白されている男に見える訳はなく。


(だいたいそんな気分でもない)


相変わらず振り回されてげっそり疲れ気味の俺が


「お前はスッキリしていいかもしんないけど。逆に俺は奈落の底でさらに落とし穴に叩き落とされた気分なんだけど?」


鼻歌に合わせて揺れる黒髪を軽く睨むと、クルリと白川がこちらに顔を向けた。


そして――


なら這い上がりなさいよ、と目の前の彼女は今日一番の挑発的な表情を見せた。


「どん底にいると思うなら這い上がってみなさいよ」


「、」


「そろそろ、いい男になってみたらどう?」


これでもかというぐらいの挑発的な瞳がキラキラと輝いている。


今の俺は普通の顔を作れているんだろうか?


白川がしたかったのは告白じゃなかったんだって…


俺をけなしたかった訳でもなく……。


だた不器用だから……曲がってるようで真っ直ぐな彼女だから……。


やっと気がついた。

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