~とある教師と優等生の恋物語~
大きめのバッグに道具を詰め込んだ白川がドアを開け、そしてこちらを振り向く。


「あたし調べたの、先生の事」


「…お前は探偵か」


「先生の家の事は昔ゴシップ記事ばっか載ってる雑誌で見た事があったけどね。

改めてちょっとお母さんに話を聞いたりしたの。

昔のゴシップ記事のあれが全て事実とは思わないけど。

……ひとつ確かなのは、先生ってば、どうでもいいって顔して、本当は人一倍気を使ってるお人よしって事だと思った」


「、」


「でも、そんなの逃げでしょう?

あたしは先生が楽しそうに絵を描いてるのを知ってる。そういう姿を何度も見た」


「…」


「あたしなりの結論は……とにかく、先生は絵を描くべきって事だったよ」


「偉そうに何って――」


「それに!あたしが先生の絵をまた見たいって思ってるから。

私が見たいってのは理由になんないの?

昔のこととか関係なく、先生の絵が好きだから。

人から好きだって言われるような絵が描けて、あんな大きな賞を取ったんだから……胸を張って絵を描きなよ。

あたしが好きだって言ってるんだから、ちゃんと描いてよ」
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